忙しい時に有給休暇を申請されたけど、別の日に振り替えてもらえるの? |
繁忙期に限って有給休暇を申請してきた従業員がいる。これって許可しないと違法になってしまうのだろうか・・・。 |
従業員は、申請すれば自由に有給休暇を取得できる旨が労働基準法第39条4項に規定されています。
それと同時に、事業の正常な運営を妨げる場合においては、事業主は他の時季に変更できる旨(時季変更権)が記載されています。
ここで問題となるのが、「事業の正常な運営を妨げる場合」という点ですが、これを判断するには以下の条件を総合的に考慮する必要があると裁判で判断されています。
事業の正常な運営を妨げる場合を判断する項目
@事業の規模
A年次有給請求者の職場における配置
B年次有給請求者が担当する作業の内容・性質
C作業の繁閑
D代行者の配置の範囲
E時季を同じくして年次有給休暇を請求するものの人数
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以上の条件を総合的に判断して決定すると裁判例ではでています。
よって、個々の事例によって異なるので、ここではこれ以上詳しくは記載することができませんがご了承ください。
さらに、「事業の正常な運営を妨げる場合」と判断されても、以下の場合には時季変更権は行使できないと判断されています。
時季変更権を行使できない場合
@時季変更権行使により、従業員の有給休暇が時効で消滅してしまう場合
A退職・解雇により時季変更権を行使すると、有給消化期間がなくなってしまう場合
B計画的付与により、時季が指定されている場合
C時季変更権行使により、産前休業・育児休業の期間と重なってしまう場合
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このように考えると、時季変更権は労働基準法上に規定されてはいるが、行使はほとんどできないと考えるのが一般的です。
時季変更権の代わりに、閑散期に計画的付与を実施するということが実務上よく行われています。
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